FF`SPACE INTERVIEW 002: YAPORIGAMI
[7+1 questions to...]
1. Yaporigamiとしての創作活動、またはYu Miyashitaとしての見事な作品を私達は知っています。Yaporigami名義はリズムにフォーカスしたプロジェクトという事ですが、時折ビートレスの鼓動の様な楽曲も聞く事が出来ます。(例えば、Detroit Undergroundより最近発表された素晴らしい「Eye / Hand」等)リズム / ビートと言った際に、どの様な意味合いを含めているでしょうか?また、この両名義Yaporigami / Yu Miyashitaの基本的な相違点は何でしょうか?それは説明可能でしょうか? |
簡潔にまとめると(空間的に考えて)、Yaporigamiはクラブ / ダンスを軸に置いているプロジェクト、Yu Miyashitaはギャラリー / 教会をイメージする音楽となっています。「Eye / Hand」の言及に関しては非常に良い質問だと感じました。何故なら「Eye / Hand」をリリースした事によって、両名義の定義を音楽性にフォーカスした思考から空間性にフォーカスした思考に拡げる必要性が起こったからです。 |
2. FF'Spaceからのリリースは「A Hectic Truer」という興味を引くタイトルとなっており、多くの意味が連想され得ます。率直に尋ねてこのタイトルはどういった意味合いでしょうか?何か別の意味合いも含むのでしょうか?(ランダムに思い付いた名前であるのか、どういったコンセプトが裏に隠れているのか、等々)加えて、制作時期等も教えて貰えましたら。 |
「A Hectic Truer」というのは「Architecture」を元とするアナグラムです。この作品とFF’Spaceには建築という共通項を感じたので「Architecture」をアナグラムする事にし、このタイトルに至りました。この名は「真実を追求する者」と言っている様に聞こえ(個人的に)哲学的なニュアンスが感じられます。哲学に興味があるのでこのアナグラムを選んだという意図は否定出来ません。プレスリリースにも含まれている情報となりますが、この楽曲群は日本のHz-recordsから「Hertzian」を発表した後の2012年内に全て制作されています。 |
3. 基本的にどういった制作過程を 辿りますか?また「A Hectic Truer」に関してはどうでしたでしょうか?例えば、始まりから終わりまで明確なアイデアを持って制作に臨みますか?もしくは制作過程は何か別の形を取っているのでしょうか?(何か特別な音がありそれが始点となっているのか、着想から始まるのか、アイデア以前に何か独創的な過程を経るのか、等々) |
初めに何かアイデアやコンセプトがある、という事はあまり無いです。オーディオファイルの収集、可変、編集を経て制作を開始する事が多いです。実験の後、オーディオファイルを見て / 聞いてから、直感的に構成(最終的に(ある種)音楽的に聞こえる様にシーケンス / 時間軸上に配置する作業)に入ります。 |
4. どの様な機材をこのアルバム制作時に使用したでしょうか?またその機材の使用によってどういった影響がもたらされたでしょうか?そういった機材 / ツールの使用による利点と欠点を考慮してもらっても良いでしょうか?他のYaporigami名義の作品と比較して、とりわけ特別な機材の使用はあったでしょうか? |
アルバム制作時にはそういった機材を使用していません。Ableton Live上でのオーディオファイルの編集 / 可変のみとなります。(Ableton Liveに関して言うならば)所謂「グリッド」の概念 / 力は利点でも欠点でもあるでしょう。恐縮ですが、特別な機材の使用というのもありません。そういった機材を考案する / 使用する / 借りる、等する必要がありますね。 |
5. 「A Hectic Truer」に関してもう少し教えて貰っても良いでしょうか?また(FFSの略である)「First Frequency Space」や「Fragmented Frames」といったコンセプトとは何か関係性がありますか?トラックタイトルに関してはどうでしょう、満足のいくネーミングが出来たのであればそのエピソードを。次回があるとすればその際のネーミングの考えを聞かせて貰えましたら。 |
Digital Music / Sound Art学科に専攻を変える前に建築を勉強していた事、哲学に興味がある事、等から物事の核心に迫る本質や概念 / 構造に非常に興味を抱きます。こういった趣向はレーベルの持つコンセプトと確かな関係性があると感じています。全てのトラックタイトルは「fragment」という言葉の「分裂」であり(「fragment」の「fragmentation」という事で)とても気に入っています。 |
6. (一般的に考えて)Yaporigamiの音楽をどの様に説明しますか?制作に対するアプローチの側面から考えて説明するのか、それとも説明自体、困難でしょうか? |
音楽スタイル / ジャンルの言葉を借りるのであれば、Glitch / IDM / Technoとなるでしょう。生き物が潜んでいる音楽、と形容された事もあります。音楽を作る事によって、音楽を超えた何かを掴もうと挑戦しているので、こう形容された事は嬉しく思います。 |
7. 音楽を作る事の最たる理由は何でしょうか?私達は(貴方の関わっている)映像作品も良く知っています。とても素晴らしい事だと思います。(映像は)音楽に対してどの様に関係しているのでしょうか、また(映像作品の)創られるプロセスでは音楽が先でしょうか、それとも映像でしょうか?映像作品を発表して行く事になった切っ掛けは何でしょうか? |
長い期間、音楽をセラピーの様に作っている感覚があります。不思議に聞こえるかもしれませんが(自分に取って)音楽制作は確実にこの様な形で手助けしてくれています。 |
今までのコラボレーションでは全て音楽が先となっています。映像というのは抽象的な音楽を具体的に見る事が出来る様に促す物語だと捉えています。 |
Lucio Areseが「Mimic」に映像を付加した際、突然全てが完璧な意味合いを帯びました。私達は、情報を聴覚よりも視覚に頼って知覚するので、映像というのは(音楽に取って)素晴らしい架け橋だと感じています。 |
(+1) このインタビューで追加したい質問やトピックがありましたら是非どうぞ。もしくはこの場でFF’Spaceに尋ねたい事がありましたら。 |
この場を借りて、このリリースを現実にしてくれた事 / 実現の為に払った全ての奮闘に再度感謝します。暖かな敬意を込めて。 |
Recent various releases of Yaporigami (Yu Miyashita) and collaborations in the passed 2012 and 2015 years released on various labels:
Yaporigami - "A HECTIC TRUER"
Label: FF'Space (ffspace.info)
Country / year: UA / 2015
Format: Album, CD / Digital
Yaporigami - "Eye / Hand"
Label: Detroit Underground (detroitunderground.net)
Country / year: US / 2015
Format: Album, Cassette / Digital
Yu Miyashita - "Homage"
Label: SIGNAL_DADA (www.signaldada.org)
Country / year: Japan / 2015
Format: CD, Album
Yaporigami - "GRIND ANALYSTS FIG.1 "
Label: Stray Landings (www.straylandings.co.uk)
Country / year: UK / 2015
Format: Vinyl, 12", 33 RPM, EP
Junichi Akagawa / Yaporigami - 2012. "Nil Bit Berg Horn"
Label: hz-records (www.hz-records.com)
Country / year: Japan / 2012
Format: 10xFile, Album, MP3, 320 / digital download /free
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